
はじめに
私たち特別支援学校で働く教員たちの毎日は、
ちょっとした変化に気づくこと
ひとりひとりに寄り添うこと
目の前の子どもたちを思って工夫すること
この連続です。
でも、私たちにとって当たり前になっているその姿勢は、
違う社会から見ると「それ すごい力じゃない?!」と驚かれることがあります。
今回は、「特別支援学校の先生の当たり前」が、
実は、社会からは特別な力としてみられていることを、考えてみたいと思います。
先生の当たり前が、実は社会で求められている?!
近年、社会のあらゆる場面で
「共感力」
「傾聴力」
「柔軟な対応力」が求められているのです。
そう!これらは、まさに私たち特別支援学校の先生が日々使っているスキルです。
例えば
- その場の状況に応じた声かけ
- 一人ひとりの特性に合わせた関わり
- 小さな成長を見逃さず、すくいとる力
- 様々な人とのコミュニケーション
などです。
これらは特別支援教育の中の技術だけでなく、
医療・福祉・子育て支援・企業の人材育成など、さまざまな分野で活用される力なのです。
つまり、特別支援の現場で培われる教員力は、社会にとっても今、求められている力の一つなのです。
これって普通じゃない?
私は、ある会話でこう言われたことがあります。
「どうしてそんなに、相手の気持ちがわかるの?」
「なんで、そんなふうに優しく言い換えられるの?」
正直、私は「それが普通だと思ってた」としか言えませんでした。
でもよく考えると、それは日々、子どもたちと向き合ってきた時間の中で、自然と身についた力だったのです。
子どもの表情、しぐさ、呼吸の変化…
それを読み取りながら、その子が安心できるように接してきた。
それって、誰にでもできることじゃないんだと、やっと気づきました。
だから今、こう言いたいです。
特別支援学校の先生って、すごいよ。
あなたの“当たり前”は、誰かにとっての“憧れ”かもしれない。
自分の「当たり前の力」ってこんなとこ
自分の当たり前がどんな価値を持っているのか、どうすれば実感できるのでしょうか?
自分の得意な場面を思い出してみる
例:
- パニックになっている子に落ち着いて対応できた
- 発語が少ない子と気持ちを通わせられた
- その場で、教材を目の前の子ども仕様にアレンジした
➔これらは全て、支援のプロとしてのスキルです。
周りから「すごい」と言われたことをメモしてみる
例:
- 「悩んでた保護者が笑顔になってたね。何て言ったの?」
- 「その教材、誰にでも使えそう」
- 「ハプニングがあっても落ち着いてるね」
➔他者が評価してくれる視点に、自分では気づけない力が表れています。
自分の支援の理念を言語化してみる
「子どもが安心できる空気づくりを一番大事にしている」
「話す人の目線に合わせて話すこと」
「子どもたちの力を信じて諦めない」
➔言語化できると、自分自身も整理できるし、自信にもなります。
「教員力」の見える化
「すごい」と言われてピンとこない。
「自分には特別なことなんて…」と思ってしまう。
そんなあなたにおすすめの今すぐ見える化アクションをご紹介します!
1日の終わりに「自分をほめるひとこと日記」
- 「今日は〇〇さんに合わせて説明の仕方を変えたら、大当たり!」
- 「本当は、急かしたかったけれど、焦らずに待つことができた」
➔小さな実践が、確かな力になります。
他の先生の当たり前を観察してみる
「〇〇先生の言葉かけのチョイス、素敵だったな」
「●●先生の間の取り方すごく効果的」
➔観察の中で、自分と重なる部分や、今後まねしたいことに気づくと、
「私もできる!」が実感できます。
おわりに
特別支援学校の先生は、
毎日見えない力をたくさん使っているプロフェッショナルです。
でも、その力はあまりにも自然すぎて、自分では気づけないことも多いのではないでしょうか。
「もっとうまくやらなきゃ」と、落ち込むこともあるかもしれませんが、
みなさんは、気づいていないうちに特別なスキルが身についているのです。
そう思うと、自然と自信がついてきますよ。
先生の当たり前は、社会では特別な力
それは誇っていい、素敵な力なのです✨

今後も、特別支援学校の授業づくり・支援の工夫について発信していきます。
質問や感想など、コメント大歓迎です♬
コメント