
「特別支援教育って、なんだかかわいそうだよね…」
そんな言葉を、皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれません。
皆さんは特別支援教育についてどんなイメージがありますか?
●障害がある=大変
●困難さがフォーカスされた感動モノのドラマや映画になっている
●特別扱いが普通でずるい
●何をしているかわからない
など どちらかというとネガティブじゃないですか?
私自身、特別支援学校に勤める前は、少しだけそんな風に思っていました。
しかし!実際に特別支援学校の子どもたちと過ごしている今、心から断言できます。
特別支援教育は、決して「かわいそう」ではありません。
では、なぜ「かわいそう」と感じてしまうのか?
ありがちな3つの理由と、それに対する私の本音をお伝えします。
「みんなと同じことができない=かわいそう」という誤解
特別支援学校や支援学級の子どもたちは、たしかに同学年の普通学級(通常学級)といわれる子どもたちと比べると、できないことが多いかもしれません。
「なんでできないの?」
「他の子はできるのに」
「ワガママなだけなんじゃない?」
「できないからやってあげなきゃ」
私自身も、初めて担任した子どもたちに対して、こう思ってしまったことがあります。
このようなことから「みんなと同じことができないからかわいそう」と思われがちです。
しかし!
そもそも、特別支援教育の目的は
「みんなと同じことをすること」
「みんなと同じことができるようになること」
ではありません。
教育基本法第1条(教育の目的)にあるように
教育は、人を育てることであり、どのような目標に向かって人を育てるか、どのような人を育てることを到達の目標とすべきか
について規定しています。

≪文部科学省 教育基本法ってどんな法律?≫
このように「人」を育て、子どもひとりひとりが、その可能性を最大限に伸ばすことの原点に立ち返った教育が特別支援教育であると私は考えています。
特別支援教育では、子どもひとりひとりの発達や特性に合わせて、授業内容や指導方法、環境を柔軟に調整します。
その中で、「できる(できた)」に焦点を当てながら「その子に合わせた学びをデザインする教育」です。
みんなと同じことができるからOKではなく、その子の「できる(できた)」に合わせたより適切な教育を受けているのです。
このように考えると、「かわいそう」ではなく「その子に適切な学びを提供できている素晴らしい教育」と言えるのではないでしょうか。
「支援や配慮が必要=かわいそう」という誤解
特別支援教育の現場では、トイレや食事、着替え、コミュニケーションなど、日常生活において様々なサポートが必要な子どもがいます。
●トイトレが進まず、日中の大半をおむつで過ごす
●手先が不器用で上手に食事ができない
●発語がないので意思疎通ができない
●感覚過敏がある
その姿を見て、つい「支援や配慮が必要なのはかわいそう」と思ってしまう人も多いかもしれません。
しかし!
支援や配慮は「かわいそう」だから行っているのではありません。
子どもたちが、自分の力を発揮するため です。
私たち大人も、環境や状況に応じて支援を受けています。
メガネをかける人は「メガネがないとかわいそう」でしょうか?
エレベーターを使う人は「階段が使えないからかわいそう」でしょうか?
そんなことを考える人はいないと思います。
メガネやエレベーターは、生活を豊かにし、自分らしく過ごすためのツールです。
特別支援教育における支援や配慮も同じです。
支援があるからこそ、子どもたちは「自分でできること」を増やしていきます。
支援や配慮は、子どもたちが成長し、自信を持って生活していけるようにするための環境であり、
「かわいそう」と言うべきものではありません。
むしろ、
適切な支援を受けた子どもたちは、生き生きと学び、自信をもって生活しています。
「周りと違う=かわいそう」という誤解
私たちの社会には、「普通」「一般的」とされる基準が多く存在します。
これは、無意識のうちに刷り込まれている感覚であると考えています。
そして、その基準に当てはまらないこと(普通、一般的でない)に対して
「かわいそう」
と、感じてしまいます。
しかし!
その基準に当てはまらないから「かわいそう」と決めつけてしまうのは、非常に危険です。
そもそも
世界中の誰一人として、全く同じ人間はいません。
考え方も、感じ方も、できることも、すべて違います。
特別支援学校(学級)の子どもたちは、たまたま「学び方」や「生活の仕方」が周りと違っているだけです。
違うということは、不幸でもなければ、かわいそうでもありません。
特別支援学校では、その違いを「その子らしさ」として大切にしています。
子どもたちは、自分に合ったやり方で学び、遊び、時には失敗し、時には大きく成長していきます。
友達や教員と笑い合って学ぶ姿や、自分の好きなことに熱中する姿を私はたくさん見ています。
そのキラキラ輝く顔を見て、「かわいそう」だと感じる人は誰もいないはずです。
特別支援教育は「かわいそう」ではなく「豊か」な教育
●みんなと同じじゃない
●助けが必要
●周りと違っている
こうした理由で「かわいそう」と言われがちな特別支援教育ですが、
特別支援教育は
✅その子に合わせた最適な学び
✅自分でできる力を伸ばすための環境
✅「違い」は「その子らしさ」
なのです。
特別支援教育の現場には、
子どもたちの生き生きとした姿
成長を間近でみることができる喜び
など「かわいそう」なんて言葉が似合わないほど、たくさんの幸せがあります。
このような場にいる、私たちのような特別支援教育に携わる教員はやりがいと誇りに溢れています!
たくさんの人が特別支援教育の本当の姿を知ることで、
「もっと知りたい!」
「やってみたい!」
という輪が広げていきましょう。

この記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。
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